KANSAI MAGAZINE

関東甲信地方での梅雨明けは観測史上最速、全国的にも平年より梅雨明けが早くなり、本格的な夏がやってきました。

この時期は世界各国を舞台にした思わず旅をしたくなるような映画を見て、バカンス気分を高めるのはいかがでしょうか?

今回は、エジプトが誇る世界遺産ピラミッドや世界最長の川とも言われるナイル川が舞台の『ナイル殺人事件』(22)やアメリカ西部の美しく広大な自然を舞台にアカデミー賞®主要3部門を受賞した『ノマドランド』(21)など、舞台となったそれぞれの国や場所の大きな魅力を味わえる見ごたえたっぷりの映画や夏の思い出や旅先でのハプニングを描いたコメディ映画なども一挙ご紹します!

エジプト×ミステリー

豪華客船という密室で起こる、極上のミステリー『ナイル殺人事件』

原作のアガサ・クリスティ自身が“旅行ものミステリーで史上最高傑作”と称した「ナイルに死す」を、ケネス・ブラナーが再び映画化したトライアングル・ミステリー。

豪華客船という密室で起こる連続殺人事件の緊迫感の中、映し出されるピラミッドやナイル川などのエジプトを代表する美しい風景も見どころです！

夏×青春コメディ

ウォーターパークでのひと夏の出会いと成長を描く『プールサイド・デイズ』

ある少年が奇妙な男と出会ったことをきっかけに、プール監視員のアルバイトを通して友情や恋など、様々な新しい体験を重ねていく夏らしさ満開の青春コメディ！

サム・ロックウェルやスティーヴ・カレルなどの名優も出演し、サンダンス映画祭をはじめ沢山の映画祭を賑わせた名作です。

アルバイトを通して楽しい夏を過ごす彼らを見ていると、まるで自分も青春を謳歌しているように心躍るはず！

南アメリカ×親子旅×コメディ

最もドタバタなバカンス！

『クレイジー・バカンス ツイてない女たちの南国旅行』

踏んだり蹴ったりの主人公エミリーが、母とバカンスに訪れた南米で拉致監禁され、脱出しようと奮闘するコメディ。

「エイミー、エイミー、エイミー！ こじらせシングルライフの抜け出し方」（15）や第94回アカデミー賞®授賞式で司会を務めたことでも話題のエイミー・シューマーと「サボテンの花」（69）でアカデミー賞®助演女優賞を受賞し、人気ミュージカル・コメディ「世界中がアイ・ラヴ・ユー」（96）で人気を博したゴールディー・ホーンの2人のコメディエンヌが贈る、喜怒哀楽たっぷりのドタバタ劇。

旅先で思わぬトラブルに巻き込まれてしまうハラハラドキドキの展開とエクアドルやコロンビアの海などの美しい風景も楽しめます！

ラスベガス×ロマコメ

気晴らしに行ったラスベガスでの災難の数々…『ベガスの恋に勝つルール』

災難に見舞われて、ラスベガスへバカンスに行った男女を待ち受ける最悪な事態と2人のバトルから目が離せないロマンティック・コメディ。

大ヒット映画『マスク』（94）や『メリーに首ったけ』（98）で一気にブレイクし、「チャーリーズ・エンジェル」シリーズやトム・クルーズと共演した『ナイト＆デイ』（10）など、ラブコメだけでなくアクションもこなす女優として大人気となったキャメロン・ディアスと斬新なコンセプトで映画界を席巻した「バタフライ・エフェクト」（04）の製作総指揮・主演でも大きな話題を呼んだアシュトン・カッチャーという公開当時の大人気キャストの豪華共演も大きな話題となりました。

ラスベガスで出会い、酔った勢いで結婚してしまうカップルのドタバタ騒動が明るいタッチで描かれ、舞台のラスベガスのゴージャスで華やかな雰囲気も楽しい1作です！

ファミリー×ロード・ムービー

コメディタッチのハートフルロード・ムービー 

『リトル・ミス・サンシャイン』

第79回アカデミー賞®脚本賞・助演男優賞をはじめ、世界中の数々の賞レースで受賞を果たした話題作。
さまざまな問題を抱えた家族が、末娘のミスコン大会に出演するため、黄色いオンボロ車で旅に出ます。

個性豊かな一家がアリゾナからカリフォルニアに向かう道中、それぞれ自分自身の問題に向き合い、助け合って様々な困難に立ち向かいながら奮闘する中で家族の絆を取り戻していく、少し奇妙でハートフルなロード・ムービーです。
アリゾナからカリフォルニアまでの長距離をおんぼろな車で旅する家族を見ていると、楽しいドライブへの憧れが高まります！

アメリカ横断×ノマド生活

アカデミー賞®＜作品賞＞を含め３部門受賞 『ノマドランド』

アメリカの美しい大自然を舞台にしたロード・ムービー『ノマドランド』は、“現代のノマド（遊牧民）”として車上生活を送る一人の女性が往く先々で出会う人々との心の交流とともに、新しい時代の希望を見つける感動のドラマ。

新鋭クロエ・ジャ オが監督を務め、アカデミー賞®主要 3 部門(作品賞・監督賞・主演女優賞）とゴールデングローブ賞 2 部門受賞と多くの賞 を受賞し話題となりました。

撮影方法が従来とは異なり、実在のノマドたちのなかに主演のフランシス・マクドーマンドが自らを投じ、彼らと路上や仕事場で交流し、荒野や岩山、森の中へと分け入っています。

主人公ファーンと深い絆を結ぶ、ボブ・ウェル ズ、リンダ・メイ、スワンキーも本人の出演という、実在する本物の”ノマド”たちを起用しドキュメンタリーとフィクションの境界線を 超える新しい表現ジャンルを確立しました。

サウスダコタのバッドランドからネヴァダの砂漠まで、さらには太平洋岸の北西部まで に及ぶ、アメリカ西部の壮大さ、その美しさに心奪われます。 

 

アメリカ×ペットとの旅

  ひとりの老人と猫の旅。人生の哀歓を描く 『ハリーとトント』

映画初主演のアート・カーニーが、アカデミー賞®主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞した話題作。老人と猫の旅を通して人生の哀歓を情感豊かに描くロード・ムービー。

ニューヨークからカリフォルニアまで、老人と猫の旅を通して見える老いの孤独と人生の厳しさを感じながらも、ほのぼのとした癒されるシーンも多く、彼らが移動する度に違う表情を見せるアメリカ各地の風景の美しさは必見です。

インド×長距離列車

インド北西部を走る長距離列車の旅 『ダージリン急行』

『ダージリン急行』は、インドの風景の美しさやインドの価値観に魅せられたウェス・アンダーソン監督が 2007 年に発表した、カラフルな色彩や列車の緻密な内装、インドの風景のコントラストが素晴らしいロード・ムービーです。

父親の葬儀後、疎遠になっていた 3 兄弟が集まりインド北西部を行く長距離列車「ダージリン急行」の旅に出る、家族の絆を描いた物語。

ウェス監督ならではの、カラフルな色彩や緻密な内装はもちろん、列車と風景、自然とのコントラストにも目を惹かれます。

世界遺産「インドの山岳鉄道群」のダージリン・ヒマラヤ鉄道がモデルとなっており、主な撮影もインド北西部、ラジャスタン州のジョドプールで行われました。

兄弟とともに、インドを旅する気分が味わえること間違いなしです