
世界でも未だ終息の見通しが立っていない「新型コロナウイルス感染症」。さらに、毎年気温が下がる時期に患者数が増加する「インフルエンザ」の同時流行に対する危機意識も高まっています。
外出自粛の影響もあり、ついつい運動不足になりがちですが、コロナ禍の中でも運動を適度な運動をし、太陽光線を浴びることが大切。
ビタミンDの不足から、細菌やウイルスを食べるマクロファージという白血球の一種の機能が下がることなどが知られて、免疫力の低下にもつながるとの結果や、ビタミンDの補給が新型コロナの感染と死亡リスクを減らすのではないかという論文も出ています。
新型コロナウィルスに感染しにくいカラダを作るには欠かせない「ビタミンD」。そのビタミンDを欠乏させずに免疫機能を落とさないためには、適度に日光にあたることが重要なのです。
さらに毎日15分程度、太陽光線などの紫外線を含んだ光を浴びると皮膚でビタミンDを作ります。
さらに、健康なカラダづくりに欠かせない「ビタミンD」を食べ物から得るためには、魚介類、キノコ類、肉、卵、牛乳などを食べたり飲んだりするといいとされています。
カルシウムはビタミンDの欠乏を防ぎ、ビタミンDは脂肪組織に溶けるので、特にカルシウムの豊富な魚、脂肪を多く含んだ魚を食べるのが効果的。
参照:https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20210109-00216765/
2種類のウイルスの猛威にさらされる可能性がある中で、大塚製薬では昨秋に免疫に関する正しい理解促進を目的とし、研究の第一人者にご協力をいただき、どの様な対策がこれからの季節の体調管理に有効なのかを報道関係の皆様に知って頂きたい目的でプレスセミナーを開催しました。
プレスセミナーでは、免疫に関する研究の第一人者である医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター センター長 國澤純先生と、長年疫学を研究している女子栄養大学 新開省二教授より、ウイルスや細菌を体内に侵入させないことの重要性、その為に押さえるべき「粘膜免疫」の考え方、「IgA抗体」や「Lactobacillus pentosusONRICb0240(乳酸菌B240)」が果たす役割などについて最新の研究事例なども交えてお話しいただきました。
アフターコロナ時代の2021年は、意識的にカラダづくりをして、健康な毎日を送りたいですね。
~乳酸菌B240の力で、ウイルスは、体内に入る前に予防ができる~「今こそ知ろう!粘膜免疫のチカラ」
人間のカラダには、「全身免疫」と「粘膜免疫」があり、ウィルスを撃退するには、免疫抗体「IgA」を体内で増やすことが重要とされています。
この抗体を増やすには、「乳酸菌B240」の継続摂取が効果的。

今だからこそ知りたい「粘膜免疫」について分かりやすく紹介した動画「今こそ知ろう!粘膜免疫のチカラ」を、乳酸菌B240研究所にて公開中です。
右記のURLより是非ご覧ください。動画URL:https://www.otsuka.co.jp/b240/lp/mechanism/
・免疫力が下がりやすい意外な人とは誰でしょう?:
免疫力が下がりやすいと知られている高齢者や乳幼児、妊婦のほかに、アスリートなど激しく運動する人や、睡眠不足に陥りやすいシフトワーカーや忙しく働く人、ストレスを抱える人なども、免疫力が下がりやすいと言われています。
・免疫とはどのようなものか、その働きについてご存知ですか?:
免疫とは、健康を維持する防御システムで、細菌やウイルスなどから体を守り戦う「抵抗力」のことです。「体を守り戦う」と聞くと、発熱や下痢などで、体内に侵入した細菌やウイルスを排除するイメージがありますが、実はこの全身免疫のほかに、「粘膜免疫」と呼ばれる仕組みがあります。この仕組みは、全身の粘膜で細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
・2つの免疫の仕組みをわかりやすくご紹介~カラダをお城に例えてみると~
粘膜免疫はお堀となって敵の侵入を防ぎます。全身免疫はすでに城内に侵入した敵と戦うイメージです。
・粘膜免疫には細菌やウイルスの侵入を防ぐ「IgA」という免疫抗体があり、この抗体を増やすには、「乳酸菌B240」の継続摂取が効果的と言われています。IgA抗体を増やし、粘膜免疫を上げて、健康な毎日を過ごしましょう。
【もっと粘膜免疫について知りたい方はこちらへ】乳酸菌B240研究所:https://www.otsuka.co.jp/b240/
そんな、今だからこそ知りたい「ウィルスと粘膜免疫の関係」、細菌やウイルスの侵入を防ぐ「IgA」という免疫抗体の実態についてもご紹介します。
ぜひ、ご覧ください。
ウィルスと粘膜免疫との関係性

世界中で未だにパンデミックを引き起こしている新型コロナウイルスやこれからの季節、大量に飛散する花粉など、日々の生活の中で、様々なウイルスや細菌が絶えず人間の体内に侵入しようとします。
なるべく、ウィルスを侵入させないようにしていきたいところですが、全く侵入をさせないようにすることはできません。
しかし、これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
①粘膜免疫の重要性

新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、さらには食中毒を引き起こすような細菌やウイルスなど、多くの病原体は粘膜組織から感染します。
「粘膜免疫」は、病原体がまさに粘膜組織から、体の中に入ろうとしている最前線における防御バリアとして非常に重要です。
【参考文献:粘膜免疫の重要性】
②粘膜組織にある「IgA」という免疫抗体が鍵となる!

免疫抗体「IgA」によって「粘膜免疫」を強化することができ、細菌やウイルスなどから、引き起こる感染を防ぐことに繋がります。
【参考文献:Iga抗体の秘密】
③免疫抗体「IgA」を増やすには、乳酸菌B240が有効!
下記のデータは300人の65歳以上の高齢者を対象に、①200億個の乳酸菌B240含有摂取チーム、②20億個の乳酸菌B240含有摂取チーム、③乳酸菌なしのタブレット(プラセボ)摂取チームの3チームに分け、20週間継続摂取の風邪の罹患者を調べました。
このデータから実際に、B240乳酸菌を200億個摂取したチームが最も風邪にかかる割合が減ったことがデータとして証明されました。
【参考文献:乳酸菌B240とは】
<国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センター センタ―長 國澤 純先生講義サマリー>(注:このサマリーは、2020年10月22日(木)時点でのプレスセミナーで話された内容となります)
●新興・再興感染症の存在する社会で生活するための基礎戦略
テーマ:生体防御システムとしての「粘膜免疫」、IgA抗体の重要性



新型コロナウイルスは、2020年10月18日の時点で世界の感染者数が4,000万人に迫ろうとしており、さらに死者は2020年9月末で100万人を超え、また日本国内においても患者数が下げ止まっているなど、まだまだ予断を許しません。(WHO発表・Johns Hopkins CSSE、JX通信社/FASTALERT)
現在、世界中でワクチンや薬の開発が進められていますが、まだ実用化には少し時間がかかる状況です。
そのため、「ソーシャルディスタンスを保つ」、「マスクやうがい」、「手洗いをする」といった形で、ウイルスを体に付けないということが最も有効な防御手段になります。
一方でウイルスが存在する環境にいても、全ての人がウイルスに感染し発症するかというと、そうではなく、感染しない、もしくはほとんど症状がない、という方もいます。
この違いを決めている要因の一つが、「免疫力」だと言われています。
■生体防御システムとしての「粘膜免疫」の重要性
この免疫ですが、体のどの部位に存在するかということにより、「全身免疫」と「粘膜免疫」の2つに分けられます。
「全身免疫」とは、例えば血液や脾臓などと言った体の中の免疫システムのことで、「粘膜免疫」とは、その名前が示しますように、呼吸器や腸管、生殖器などの粘膜組織に存在する免疫システムです。
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、さらには食中毒を引き起こすような細菌やウイルスなど、多くの病原体は粘膜組織から感染します。
しかし感染に対する生体防御という観点からすると、「全身免疫」は体の中の免疫システムであり、粘膜組織での感染そのものは抑えることができません。
病原体が感染し体の中に侵入してきた後に対応することで、病気の重篤化を防ぐことが主な働きとなります。現在の注射によるワクチン接種も、この病気の重篤化を防ぐことを主な目的としています。
一方「粘膜免疫」は、病原体がまさに粘膜組織から体の中に入ろうとしている最前線における防御バリアとして非常に重要です。
現在、粘膜免疫を活性化し、感染そのものを抑制するための粘膜ワクチンが、吸うもしくは飲むワクチンとして開発が進められています。
既に欧米ではインフルエンザワクチンが吸うワクチンとして、日本国内においてもロタウイルスに対するワクチンが飲むワクチンとして実用化されています。

代表的な粘膜免疫システムとして、「腸管免疫」があります。腸管は私たちの体の中でチューブのような構造を持っており、そのチューブの中を覗くと、絨毛と呼ばれる、いわゆるひだ状の構造が見られます。
絨毛の一番外側は上皮細胞という細胞が手をつなぐことで壁をつくっており、外から異物が入らないためのバリアとして働いています。
さらにその壁の内側には、「IgA」という抗体を産生する細胞(下図で緑色をつけた部分)やT細胞(下図で赤色をつけた部分)といった、免疫細胞がびっしりと集積している像が観察されます。
実際に体の中の半分以上の免疫細胞は腸に集まってると言われており、免疫の基本機能である病原体に対する生体防御、さらには食事成分や腸内細菌といった体にとって異物であるものの有益なものを利用できるようにする機能も担っています。
さらに、この腸管の免疫は、体の他の部位の免疫機能にも影響を与えることが知られていることから、免疫を考える際には腸の免疫が非常に重要であると言われています。
■パイエル板を介した腸管分泌型IgAの産生
粘膜組織には抗体の機能のうち“病原体が我々の細胞に結合するのを阻止する”という機能に特化した抗体が存在します。これが「IgA抗体」です。

ここでは腸管を例に紹介します。B細胞は免疫細胞の学校とも言われている腸管のパイエル板と呼ばれる場所で、病原体やワクチンに対する情報を学ぶことでIgA抗体を作る細胞へと成長し、その後、パイエル板から絨毛に移行し、そこでIgA 抗体を産生します。
そのため腸管の絨毛では、IgA抗体を産生する細胞がたくさん観察されるのですが、このIgA抗体は腸管の絨毛組織に留まらず、さらに上皮細胞の壁をくぐり抜け、管腔の中にまで分泌され、ウイルスや細菌などの病原体に結合します。
これにより、病原体が上皮細胞に結合するという、感染の最初のステップを抑えることができます。
この腸管の管腔は物理的には体の外側になるので、IgA抗体は我々の体の外側にまで分泌され、感染の最初のステップを阻害することで病原体が体内に侵入する前に防御出来ることになります。
感染症に対する生体防御として極めて重要であると考えられます。
また、ここでは腸管を例に紹介していますが、IgA抗体は唾液や呼吸器でも産生されることから、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどにも有効であると期待されます。
■腸管IgA抗体の産生には腸内細菌からの刺激が必要

粘膜組織における生体防御として非常に重要な役割を果たす「IgA抗体」ですが、古くからその産生には腸内細菌が重要であることが知られています。
例えば、抗生物質で腸内細菌を減らしたマウスや腸内細菌を持たない無菌マウスの腸管では、少量のIgA抗体しか産生されなかったという実験結果があります。腸内細菌はIgA抗体をはじめとする免疫機能を下げないための働きをしているのです。
一方、腸内細菌には、もう一つの重要な機能として免疫をあげすぎないという働きもあります。
よく「免疫力を高めましょう」と言った話があります。感染症に対する生体防御という観点で、ある程度の免疫力を保つことは非常に重要ですが、一方で免疫力を高めすぎて暴走状態になることは、大変危険であることも分かっています。
免疫機能は、下げず、上げすぎず、整った免疫状態を維持することが大切なのです。
こうした整った免疫状態を維持するのに、腸内細菌は重要であり、その為に腸内細菌は菌体成分や栄養素、食事成分を由来とする代謝物などを産生していることが知られています。更にこうした効果は腸管局所だけでなく、体のその他の部位の免疫にも影響していることが分かっています。
■腸免疫細胞の暴走によるサイトカインストーム

前述の通り、病原体に対する免疫が強まりすぎて暴走状態になると、感染症の重篤化につながります。
その一例が新型コロナウイルスで、新型コロナウイルスによる重症化の原因の一つにARDSと呼ばれる急性呼吸窮迫症候群ですが、これは免疫が暴走状態となることでIL-1やIL-6、TNFなど炎症性のサイトカインが大量に産生される「サイトカインストーム」が原因であると言われています。
実際、新型コロナウイルスに対する薬として日本で2番目に承認されたデキサメタゾンは、抗炎症薬つまり免疫の暴走状態である炎症を抑える薬であります。
つまり私たちは、病原体に対する生体防御として“必要な免疫力は維持しつつも、免疫を暴走させない”という整った免疫状態を維持するということが非常に重要なのです。
■アルカリゲネスは腸管IgA抗体の産生促進に適した菌体成分を持つ

私たちはこれまでに腸管のリンパ組織であるパイエル板の組織の内部に共生する細菌としてアルカリゲネスという菌を同定し、さらにアルカリゲネスがIgA抗体の産生を促進することを報告しています。
この時の鍵となるのがIL-6と呼ばれる物質で、これはIgA抗体の産生を促進する機能を持っています。これは、前述の新型コロナによる「サイトカインストーム」の例が示すように、過剰に産生されると炎症を誘導してしまうものです。
このIL-6はアルカリゲネス以外の細菌でも誘導することができますが、例えば大腸菌などではこのようにIL-6が過剰に産生されるために炎症が起こりやすくなります。一方、アルカリゲネスはこのように過剰なIL-6の産生を誘導することがないため、炎症を引き起こすことなくIgA抗体の産生を促進することができます。
この違いは、それぞれの細菌が持つ構成成分が異なることに起因します。
例えば免疫を活性化する作用のある菌体成分としてLPSと呼ばれるものがありますが、このLPSの活性中心であるリピドAの構造を見てみると、アルカリゲネスと大腸菌で微妙に形が異なっています。
私たちの免疫システムはこの微妙な違いを認識することで、免疫の活性化状態を変化させており、その中でアルカリゲネスは適度な免疫の活性化状態を維持できる構造を持っていると言えます。
→さらに同様の事が、腸内細菌だけではなく、様々な製品に使用されている乳酸菌でも分かってきており、それぞれの乳酸菌によって免疫を活性化する機能が異なることが知られています。
例えば「乳酸菌B240」については、私たちも以前、パイエル板に存在する免疫細胞をほどよい強さで活性化し、IgA抗体の産生を増強することを報告しています。
また、その他の乳酸菌においても、IgA抗体の産生を増強することを見出しており、そこでは乳酸菌が放出する膜小胞と呼ばれる小さな粒子に活性があることを確認しています。
このように乳酸菌をはじめとする様々な細菌が持つ免疫制御機能に注目が集まっており、今後さらに本領域の研究が進んでいくものと予想されます。
■ウィズコロナ時代に向けた免疫・生体防御システムの必要性
以上がウィズコロナ時代とも言われる新しい時代に向けて、私たちの免疫システムをいかに整え、感染症の脅威に備えていくのか、そのために食事や腸内細菌といった腸内環境がどう免疫に関わり、さらには不足した機能を乳酸菌などでどのように補っていくのか、といった新しい将来像の可能性について紹介となります。
國澤純(クニサワジュン)先生 プロフィール
1974年生まれ。大阪大学薬学部薬学科卒業。 2001 年 大阪大学大学院薬学研究科 博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員などを得て、東京大学医学研究所准教授などを経て、現職に至る。
所属:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センター センター長
ワクチンマテリアルプロジェクト&腸内環境システムプロジェクト
プロジェクトリーダー(併)
東京大学医科学研究所 客員教授(兼)
神戸大学医学研究科 客員教授(連携大学院)(兼)
大阪大学歯学研究科 招聘教授(連携大学院)(兼)
大阪大学薬学研究科 招聘教授(連携大学院)(兼)
大阪大学医学系研究科 招聘教授(連携大学院)(兼)
広島大学医歯薬保健学研究科 客員教授(兼)
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 客員教授(兼)
主な研究テーマ:免疫学、生物系、生物系薬学
<女子栄養大学教授 医師・医学博士 新開省二先生 講義サマリー>(注:このサマリーは、2020年10月22日(木)時点でのプレスセミナーで話された内容となります)
●乳酸菌B240が粘膜免疫に及ぼす影響
■植物由来の「乳酸菌B240」は粘膜免疫を賦活する:乳酸菌B240が腸を刺激すると、粘膜からSIgA分泌が亢進し、全身の粘膜免疫機能が高まります。

下図は、乳酸菌B240に関するエビデンスの一覧表です。
左上(1.~3.)は、非臨床試験として、乳酸菌B240が免疫物質SIgAを高めること、このIgAを高めるメカニズムを検
討したものです。

また、その右(10.~12.)は、ヒトにおいて、唾液IgAが乳酸菌B240の摂取によりが上がることを、若年女性、高齢者にて確認したものです。
左列2段目(4.~7.)は、IgAを上げるだけでなく、感染防御に効果があるかどうかを確認した論文リストです。大学との共同研究により、季節性のインフルエンザウイルス、そして2009年のパンデミックインフルエンザウイルス、肺炎球菌およびサルモネラへの感染防御作用を検討しました。右列2段目(13.)は、ヒトにおいてカゼ罹患を低減させることを確認しました。
また、上から3段目(8./14.)は、IgAを誘導する乳酸菌として、非臨床試験において抗アレルギー作用を有することを確認したものです。
臨床試験も実施して、その抗アレルギー作用がヒトでも発現されることを確認しました。最後に最下段(9./15.)は、乳酸菌ではありますが、安全性についても確認されています。
■乳酸菌B240に関する臨床試験1――乳酸菌B240摂取で唾液中IgA分泌量が増加

健常高齢者 男女80人を40人ずつ2つのチームに分け、2月から5月の12週間に乳酸菌入り飲料を1日1本飲むグル
ープと、プラセボ飲料を1日1本飲むグループに分けて効果を比較しました。
被験者には、中身が見えないように試験を行い、数週間ごとに、唾液を採取。その結果、4週目以降に唾液中のIgA分泌が高まるという結果が得られました。
■乳酸菌B240に関する臨床試験2――乳酸菌B240摂取で風邪罹患割合が低下/健康関連QOLも向上
健常高齢者 男女100人を、乳酸菌B240を1日200億個摂取するグループ、1日20億個摂取するグループ、プラセボを摂取するグループの3グループに分け、3月から5月の12週間に臨床試験を実施。その間、風邪症状を測定しました。
その結果、風邪罹患割合が低下するという結果が得られました。感染対策として、日常から摂取することのメリットが大きいことが分かります。
また、同臨床試験を通して、乳酸菌B240を継続摂取する事で健康感が高まったという結果も得られました。健康関連のQOLも向上したと言えます。
■まとめ
前述の2つの臨床試験の結果を通して、乳酸菌B240を継続的に摂取することで、
●ヒトでIgA分泌(粘膜免疫)を高めた
●ヒトで風邪罹患を抑制した
●ヒトで健康感が高まった
という結果が得られました。
粘膜免疫を高める方法として、従来から言われている「バランスの摂れた食事」「適度な運動」「睡眠」「ストレスのコントロール」といったことに加え、「乳酸菌B240の継続摂取」もオプションの一つと言えるのではないでしょうか。
医師・医学博士 新開省二(シンカイ ショウジ)先生 プロフィール
1984年愛媛大学大学院医学研究科博士課程修了。愛媛大学医学部助教授(公衆衛生学)を経て1998年より東京都老人総合研究所(現・東京都健康長寿医療センター研究所)に勤務。
同研究所副所長を経て、2020年4月より現職。日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本応用老年学会、日本体力医学会などの理事・評議員や厚生労働省「健康日本21(第二次)策定専門委員会」委員などを歴任。
所属:女子栄養大学 栄養学部教授
主な研究テーマ:衛生学、公衆衛生学
主な著書:60歳を超えたらやせるな危険、元気ごはん 栄養素密度が高い食事のすすめ(共著)