災害関連死で最も多い”肺炎”を減少させるために重要な“口腔ケア”について学ぶ

薬用マウスウォッシュ「リステリン®」を展開するジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 コンシューマー カンパニーは神戸市と共催で災害時になぜ口腔ケアが重要なのか、その備えとして普段から気をつけるべき正しい口腔ケアの方法を市民に発信する神戸市×ジョンソン・エンド・ジョンソン共催 「今日からする・備える口腔ケア」実践!健口セミナーを1/11㈫13:30より神戸市危機管理センター1階 本部員会議室にて開催しました。
なお、開催されました健口セミナーの様子はYou Tube 配信のアーカイブを視聴できます。
<アーカイブ URL: https://youtu.be/7KqzlXeH1_k >
【実施概要】
■名称 :神戸市 × ジョンソン・エンド・ジョンソン共催「今日からする・備える口腔ケア」実践!健口セミナー
■開催日時 :2022年1月11日(火) 13:30~14:30 (報道受付開始 13:00~)
■実施会場 :神戸市危機管理センター1階 本部員会議室(兵庫県神戸市中央区江戸町97番)
■登壇者
:花田裕之(神戸市健康局長)
:渡辺雅子(神戸市保健所 口腔保健支援センター長)
:足立了平(神戸市健康局 歯科専門役、ときわ病院 歯科・歯科口腔外科 部長)
:今井一彰(内科医、東洋医学会漢方専門医、NPO 法人日本病巣疾患研究会副理事長)
:浅田友香(ジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマーカンパニー 広報)
■スケジュール:
1. 開会ご挨拶
2.神戸市における歯科口腔保健の取り組みについて
3.神戸市における災害時口腔ケアに関する取り組み
~1.17 振り返り 阪神・淡路大震災からの学び~
4. 全身の健康は歯と口の健康から
5. マウスウォッシュの使い方
6. QA セッション
口腔内には常時数億もの菌がいると言われており、阪神・淡路大震災では被災の影響で十分に口腔ケアができず、口腔内に増殖した細菌などにより引き起こされた肺炎が原因で多くの高齢者が命を落としました。
阪神・淡路大震災発生日である1.17を前に開催された本セミナーは被災経験を経て、災害時の口腔ケアの重要性を発信してきた神戸市と口腔ケアで人々の健康に貢献したいという思いでマウスウォッシュ「リステリンR」を提供するジョンソン・エンド・ジョンソンの思いが合致し行われました。

神戸市からは健康局の花田裕之局長、足立了平歯科専門役、保健所口腔保健支援センターの渡辺雅子センター長が登壇。
阪神・淡路大震災経験後、数々の被災地で被災者の口腔ケアにあたってきた歯科医師の足立了平氏は災害関連死について誤嚥性肺炎の要因、災害時の口腔ケアの重要性などについて発信されました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンからは広報の浅田友香氏が登壇し、マウスウォッシュ市場国内シェア No.1 の「リステリン®」が果たすことのできる役割などが紹介されたほか、「リステリンアライアンス」メンバーで内科医の今井一彰氏も登壇し、災害時の口腔ケアの意義や効果的な方法、全身疾患と口腔ケアの関係性などを発信しました。
なお、セミナーは会場に地元住民を招待して行われたほか神戸市の公式 YouTube でもリアルタイムで配信され、約70名が視聴しました。
■神戸市保健所口腔保健支援センター長 渡辺雅子 氏

▷神戸市における歯科口腔保健の取り組み
日頃から神戸市では「神戸市歯科口腔保健推進条例(平成28年11月8日施行)」に基づき、市民の歯と口の健康づくりを推進しています。
日頃からの口腔ケアが重要であるため、「こうべ歯と口の健康づくりプラン
(第 2 次)」に基づき、ライフステージに応じた取り組みおよび分野別の取り組みを進めているところです。
特に阪神・淡路大震災を経験した神戸市としては、災害時における歯科保健医療対策に取り組んでいます。
▷神戸市の災害時における歯科保健医療対策の充実
神戸市危機管理センター1 階防災展示室では、誤嚥性肺炎による震災関連死を防ぐために非常持出袋の中に、歯ブラシ、デンタルリンスなどの口腔ケア用品など、日頃から備えの必要性について啓発を行っています。
神戸市歯科医師会と神戸市との間で「災害時における応急歯科医療および口腔ケアの協力に関する協定」を締結して、災害時の歯科救護活動について役割分担を明確化しました。
また、生活協同組合コープこうべと締結している「緊急時における生活物資確保に関する協定」の中の緊急時に必要とされる品目として歯ブラシ
を追加しました。
災害時においても、歯科保健医療対策の充実をはかっています。
■神戸市健康局歯科専門役 足立了平 氏
▷災害関連死とは
災害関連死という言葉は阪神・淡路大震災で初めて使われた言葉です。災害関連死とは、災害によって亡くなられた方のうち圧死、窒息や外傷などの直接死以外で亡くなられた方のことを指します。
阪神・淡路大震災では 6,434 人の方が命を落とされました。そのほとんどが直接死でしたが、災害に関連した疾患で亡くなられた関連死と認定された方も 1,000 人ほどいらっしゃいました。
▷災害関連死の 3 つの特徴
1つ目は肺炎が原因で亡くなる方が多いことです。阪神淡路大震災では災害関連死の中でもおよそ 24%の方が肺炎を理由に亡くなられました。
2つ目は、亡くなられた方の 90%が 60 歳以上の高齢者で占められていた
ことです。
3つ目は、発災後 2 か月で 80%の方が亡くなられていることです。
▷災害時肺炎の危険因子
阪神・淡路大震災の際に肺炎が増加した原因としては、避難所の劣悪な環境や精神的ストレス、免疫低下などが当時考えられていました。
しかしそれだけではなく、口腔ケアの有無が肺炎の発症に大きく関わってく
ることが震災後明らかになりました。
▷高齢者の肺炎の 80%が「誤嚥性肺炎」
高齢者の肺炎の80%が習慣的な唾液誤嚥によって発症する「誤嚥性肺炎」であることがわかっています。
口の中が汚れていたり、抵抗力が低下していたりするほど肺炎になりやすいと言われおり、汚れた口の中の口腔内細菌は糞便に含まれている量とほぼ同程度であるとお話がありました。
▷肺炎のリスクを軽減させるには平時から口腔ケアを行うことが重要
歯科医療者による専門的な口腔ケアによって、高齢者施設での肺炎の発症が 40%軽減したという研究結果も1999年に出ており、肺炎のリスクを軽減させるには口腔ケアを行うことが重要であるとのお話がありました。
足立先生は「高齢者にとって、口腔ケアが『命を守るケア』であることを国民の多くが認識していたら震災関連死はもっと少なかったのではないか」として、平時から歯科治療や定期健診など「災害時に強い口」作りを行っていくことの重要性について呼びかけました。
■内科医/東洋医学会漢方専門医/NPO 法人日本病巣疾患研究会副理事長 今井一彰 氏
▷一日に飲み込む細菌は 1.5 兆個だからこそ上流医療(口腔ケア)が重要
私たちは一日に 1.5 兆個の細菌を口から飲み込んでいます。約 700 種類いる口腔内細菌は、アルツハイマー病や糖尿病など、様々な病気を引き起こすと言われています。
そのため、上流医療にあたる口腔ケアを行うことが重要になってくるとお話しいただきました。
▷口呼吸は様々な疾患を引き起こす
口呼吸を行うことで、睡眠障害や病巣疾患、免疫異常、誤嚥性肺炎などの様々な疾患を引き起こすことがわかっています。
最近マスクによって口元が隠れ、息をしにくいことから口呼吸をする人も多いですが、口が開くことで口内環境が悪くなってしまうとのことでした。
▷人間本来の鼻呼吸で免疫力をアップする「あいうべ体操」
口と鼻は病気の入り口ということで、人間本来の鼻呼吸で免疫力をアップする「あいうべ体操」についてご紹介いただきました。
やり方は口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かすだけです。ポイントはできるだけ大げさに行うこと。べろを動かすことで唾液が増え、誤嚥を減らすことに繋がります。
1セット4秒前後でゆっくりとした動作で行い、1日30 セット(3分間)を目標にスタートすると良いとのことでした。
■ジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマーカンパニー 広報 浅田友香 氏
▷お口のトラブルの原因である口腔内菌のケアに有効なマウスウォッシュ

歯周病や虫歯、口臭などのお口のトラブルの原因は口腔内菌です。お仕事や家事など活動をするたった 9時間でお口の菌は約5倍になるともいわれています。
しかし通常歯ブラシやフロスが届くのはお口の表面積の約 25%のみ。
残りの届かない約75%をケアするために、マウスウォッシュが有効です。
▷マウスウォッシュは水が不足する災害時でも簡単にお口のケアが可能
ジョンソン・エンド・ジョンソンが岩手・宮城・福島の被災経験者 1,000 人に行った意識調査(※)では「被災された際、なくて困ったもの/被災する過程で必要だったと気づいたものはなんですか?」という質問に対して、1位は水(約 60%)という回答となりました。
また、約 20%の方は口腔ケア用品がなく困ったと回答しています。水が不足する災害時でも簡単にお口のケアができることも、マウスウォッシュの良さ
の 1 つです。
(※)東日本大震災から 10 年目を迎える 2021 年ー岩手・宮城・福島の被災経験者 1,000 人に防災グッズに関する意識調査を実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000045302.html
▷リステリンの強みは殺菌力
「リステリン」はマウスウォッシュのパイオニアとして市場を牽引。売上げは世界・日本で NO.1 を誇ります。
リステリンの強みは殺菌力。口腔内菌は時間が経つと肥大化し、周りにバイオフィルムと呼ばれる膜を作りますが、リステリンはこのバイオフィルムに浸透し、お口のすみずみまで殺菌することができます。
「殺菌力のリステリンを毎日のケア、そして防災グッズの 1 つとしてぜひ加えてみてください」と呼びかけました。