
株式会社カッシーナ・イクスシー(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 康洋)は、カッシーナ・イクスシー直営店にて2020年5月より展開する新作展示に際し、インド・チャンディガールのプロジェクトからピエール・ジャンヌレへのオマージュとして製作された4つのモデルを展示発表します。
ヨーロッパの理想とインドの精神が融合。
その土地の風土や文化を尊重しつつヨーロッパのような近代都市デザインが組み込まれた都市、インド・チャンディガール。その政治と行政の中心であるキャピトル・コンプレックスのためにデザインされた一連の家具には、インド伝統のクラフトマンシップの中にモダンさが垣間見えます。異なる文化の融合。インテリアにこういったアイテムが加わることでコーディネートはより複雑な魅力をまとい、多様化する現代のライフスタイルに寄り添うものとなっていくのです。
ホームページより引用
チャンディガールは、北西インド、ヒマラヤ山脈山麓部に位置します。ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレによる都市計画で世界的に知られ、モダンな建築が数多く存在します。キャピトル・コンプレックスとは、彼らが設計した行政機関やモニュメントが集まるエリアを指し、高等裁判所、立法議会棟、行政庁舎、オープン・ハンド・モニュメントと呼ばれる建造物があります。2016年に世界遺産に登録された「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一部にもなっています。
ル・コルビュジエ作品の調査と保護
ル・コルビュジエの建築作品群が2016年にユネスコの世界文化遺産に登録されたことにより、1951年からインドの独立と近代化を記念し実施されたチャンディガールプロジェクトも大きな関心を集めました。
かねてよりイ・マエストリコレクションの一部をなす巨匠建築家たちの作品の調査研究に専念してきた事実を踏まえ、今般カッシーナはチャンディガールに関する詳細な研究のサポートをする決定をしました。
フランスで最も権威のある各研究機関の協力のもと、ル・コルビュジエ財団が主導したこの研究の主目的は、チャンディガールというユニークな遺産の正式な研究資料を作成、保存しその価値を高めることにありました。
当該プロジェクトは、ル・コルビュジエの詩情、技術、思想形態を要約した、最も成熟した作品と考えられており、建築とデザインの研究ならびに文化的な貢献を目指した彼の意志に通じるものであります。
建築家が描いた理想都市。
スイスの建築家、デザイナーであるル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレは従兄弟にあたり、1922年からパートナーとして事務所を設立。後に入所したシャルロット・ペリアンの3人でLCシリーズに代表される名作家具のデザインを手がけています。 1951年からインドの独立と近代化を記念し実施されたチャンディガールの都市計画は、当時の首相ネルーから指名され、ル・コルビュジエが請け負いました。ピエール・ジャンヌレを含めた建築家グループとともに彼が自らの建築と都市の理論を試す重要な機会となりました。2016年、ル・コルビュジエの建築作品群のひとつとしてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
ホームページより引用
チャンディガールプロジェクトの中核:キャピトル・コンプレックス
当時の首相ネルーから指名され、ル・コルビュジエが請け負ったチャンディガールプロジェクトは、従兄弟のピエール・ジャンヌレを含めた建築家グループとともに彼が自らの建築と都市の理論を試す重要な機会となりました。
ル・コルビュジエは都市を人間の身体として捉え、パンジャブの新しい首都の政治および行政の中枢がその頭部になると考えました。そこは高等裁判所、行政庁舎、立法議会棟からなる大きな3つの記念碑的ブルータリズム建築で構成されています。
これらは、肺に見立てた緑地公園、静脈や動脈のような大通りの整然としたシステムをともない、50以上の部分的に自立した「区域」からなる碁盤目の胴体とつながっており、都市のスムーズな循環を請け負っています。
この奇抜な建築的、芸術的インテリアプロジェクトは、近代史にとって長きに渡り重要な参考事例とされてきました。
モダンの代表、カッシーナがピエール・ジャンヌレに捧げる
カッシーナはル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ぺリアンという3人の偉大なモダニティの主役たちが存命中であった1965年から同氏らの家具を復刻して来ました。そのため、カッシーナが彼らの作品への理解を完結させるべく、キャピトル・コンプレックスの為にデザインされた家具の遺産に興味をもったのはごく自然の流れであったといえます。証拠資料こそありませんが、ピエール・ジャンヌレがチャンディガールの都市の家具デザインにおいて重要な役割を果たしていたのは確かな事実でした。
真正性を最大限に尊重しつつ、キャピトル・コンプレックスの家具がこれまで地元の職人によってディテール部分において個体差を伴いリプロダクションされていたという事実や、ある程度一般的なインスピレーションの源になっていたこともカッシーナは十分に認識しています。
素材やドローイングの分析のためにアーカイブの利用を許可してくれたル・コルビュジエ財団のサポート、ならびにピエール・ジャンヌレの意匠継承者の合意のもと、カッシーナはキャピトル・コンプレックスの家具の研究を始め、ピエール・ジャンヌレにインスパイアされたこれらのモデルの製造を実現するに至りました。
チャンディガールのクリエーションの中心的人物であるピエール・ジャンヌレへ捧げる4つのプロダクトからなるコレクションはこのようにして生まれました。
彼は1967年にその生涯を閉じるまでインドで暮らしました。地元と密接かつ継続的に触れ合うことにより基本的な形態とシンプルな素材を組み合わせ、モダンなヨーロッパの理想と伝統的なインドの精神との出会いの場を作ったのでした。

■CAPITOL COMPLEX OFFICE CHAIR(アームチェア)
このチェアはチャンディガールのキャピトル・コンプレックスの中で最も知られているモデルの一つで、行政庁舎の様々な管理事務所に置かれています。逆V字型に配置されたサイドバーを含む独立したパーツはすべて無垢材で作られており、一点に収束してアームレストを支えています。これはコレクション全体の特徴的な要素であり、多数のバリエーションがあります。木のフレームに籐が編み込まれたシートとバックレストは、特徴的要素です。
■CAPITOL COMPLEX CHAIR(アームレスチェア)
よく知られているOFFICE CHAIRと同様、アームレスタイプのこのチェアもV字の構造を用いています。しかしこのチェア場合、V字はアームレストの高さまでは伸びずコンパクトになっています。幾何学的断面を備えた2つの重厚な木の輪郭、全体にシンプルでありながら力強い印象をもたらす脚部に接続された、籐編みのシートが重要なポイントです。
■CAPITOL COMPLEX ARMCHAIR(ラウンジチェア)

行政庁舎、立法議会棟とともに、高等裁判所もチャンディガールのキャピトル・コンプレックスの基本的な中枢となっています。
各部屋は、V字型を特徴とする家具の同じ構造を備えさらに十分なパッディングで快適性を高めたアームチェアで満たされていました。
連結した横木やアームと背もたれの間にある外部ジョイントなど、支持構造は見えている木製パーツのみです。
アームレストをほぼくるんでしまっているパッディングが丸みのある幾何学的な輪郭を描き、特徴的なシートと背もたれのクッションとともに、優雅さとシンプルさを損なうことなく、即座に快適な感覚を与えてくれます。
■CAPITOL COMPLEX TABLE(テーブル)

この大きなカンファレンステーブルは、キャピトル・コンプレックスの立法議会棟で使われた家具の一つでした。無垢材のべース部分は特徴的な十字の角の形をした2つの重要なグラフィック要素とともに、この場所の厳粛な活動を想起させます。
2020年展示テーマ『LIFE CRUISE-旅するように暮らす』
新作展示「Chandigarh(チャンディガール)」
青山本店、大阪店:2020年5月25日(月)~
名古屋店、福岡店:2020年5月28日(木)~
※最新の店舗営業日については公式ウェブサイトをご覧ください。